Mari Matsuno の日記

神戸とパリ在住の画家、松野真理のブログです。

遠い道


走れない。体がおもっくって足が前に出ない。先日踏切を歩きだしたら、かんかんかんと、鳴った。慌てて走ろうとしたが、体が、思うように前に出ない。それでも一生懸命前に動かしていたら、小学生くらいの子供がさっと抜かしていった。しかし折り畳みの傘を落としていった。私は、2,3歩戻ってその傘を拾った。だってレールの上に落して危ないじゃない。でも思った。そんなことしていて、ひかれたら、この前老人を助けてなくなった40歳の女性のようには言われないだろう。「60歳過ぎてるのに何やってるの?!傘の一つくらい、電車は跳ね飛ばして大丈夫よ」
傘を拾ってまた必死で走った私。ジュリーじゃないけど走ってるつもりでもよそから見たら走ってるようには見えなかったりして。子供に「傘落としたよ!!」って怒鳴りながら。子供はわたりきって待っていた。「すみません」とちょこんとお辞儀していった。

子供のとき、関学の前に住んでいた時、6人か8人くらいでよく2班に分かれてリレー競争したものだ。関学の時計台の前は楕円形の大きな広場になっていてその周りを走るのだ。
あんなに元気に走り回っていたのに。
昨日の母の車を降りてからの歩き方を見ると本当にあんなに足が進まないのが不思議になる。しかし私もそう遠くないんだ。
昨日は、ものすごく忙しい一日だった。
朝一番に皮膚科でまたウミをしぼり出してもらった。それからルナへ額縁をとりに行きマットを切ってもらった。そして10時半には、神戸市立博物館にプーシキン美術館展を見に入っていた。まだ開いたばかりですいてると思ったのが甘かった。
すごい人。平日の10時半なのに。友人にもらった只券は、今月中だったから、昨日しかなかった。本当なら、オークラに近いからオークラの前にゆっくり見たかったのだけど、母は、歩けないから一緒に行動できない。
作品は、ルーブルとオルセーを混ぜたタイプ。私は、人混みで絵を見るのが苦手。フミにもったいないなあって言われたけど早めに出た。出口にロシアのお土産がいっぱい売っていた。
フミたちは、大学から今日、行くらしい。
「来ていただいてありがとうございます」でなくて「お金を払って見て帰ってください」までの道はとてつもなく遠くて、つながってないわ。