Mari Matsuno の日記

神戸とパリ在住の画家、松野真理のブログです。

吉田さん

友人の吉田堅治さんのところへお昼をよばれに行く。母を通じてもう20年以上になる。

彼について一言ではかけないが紹介すると82歳でパリ市のアトリエに一人で暮らしている。40歳で日本から出てきて42年。20年位前に10年だけパリで一緒に暮らした奥様がなくなりモンパルナスの墓に埋めていて自分もそこにはいることになっている。もう満杯で買えないらしいが当時はまだ買えた。

彼は普通は寄贈するのに大英博物館に6,5mの絵を買ってもらったのだが(前に大英博物館で個展もして生きてる人では初めてだった。)そういうもうけは、次にしたいところ、彼は特攻隊の生き残りですごく使命感を持っていて教会での個展にこだわっていてアイルランド、ロンドンのクライストチャーチとか大きな教会でやってるけどそういうのをするのにお金は使われてしまっててものすごくまずしい。マネージャーのレバノン人を通じてアメリカのいくつかのギャラリーで大きな作品ばかり売ってるが、しょっちゅう絵は行方不明になるらしい。

今度ドバイから注文があって30mx2,7mの壁画を頼まれていて1億くらいの予算らしくて1年以上はかかるし現地の様子はわからないし、箔を貼る絵だから1億で出来るかどうかわからないし何よりもパリ市のアトリエで制作するのには狭くて82歳の彼としては体力に自身もなくて迷ってるとか。

彼は結構外国で知られてるようだけど、ついこの間はブロアという有名なお城でやったと写真を見せてくれた。メキシコの近代美術館で日本メキシコ友好100年の記念展を3ヶ月したときは、私も友人と行きました。現地の扱いはすごくて新聞のみ開きに何日も乗ってたしテレビにも出てた。でも日本から大英博物館にもメキシコにもほとんど取材は来なかったらしい。

食べていくのも大変だといってるけどお魚やいてお赤飯してくれた。

彼の知り合いが、もともと武術を教えてるジムをやってるところで息子があとをついでギャラリーもはじめたらしい。ジャクリーンが真理も展覧会したら?と電話をくれていたのでちょうどいいとついていきった。そこの生徒たちが飲み物サービスをやっていて黒いスーツなんか着てるからなんかその筋のイケメンたちって感じでそこにきてる女たちは日本人の馬鹿みたいな格好の若い女たちでうんざりだったのでその息子に紹介だけしてもらってさっさと出た。
 
彼は、芯のとおった細くて小さいおじいさんです。母の手を引いていっしょにノートルダムのあたりを散歩しました。
パリで暮らして42年。外国で暮らすのは大変です。彼はいつまでも戦争を持って歩いてる最後の人間かもしれません。
彼のテーマは「生命」です。