Mari Matsuno の日記

神戸とパリ在住の画家、松野真理のブログです。

リア王

marimatsuno2008-11-15

仕事帰りのふみと待ち合わせて狂言師の善竹忠重さんが、演ずる「リア王」を見に大阪能楽会館に行った。
前にハムレットを見たが、狂言とオペラの組み合わせがなんとなく自然じゃなかったけど、今回はすごく自然で狂言師は、何でもできると感心した。善竹忠重さんは、前回のおきさきの役は、似合わなかったけどリア王には、適役でのびのび演技されていて言い回しは狂言的でも俳優のようだった。
息子さんは、前回も生き生きされていたが、今回もいい声ではつらつと動いてた。彼には、悲壮感が似合わなくて舞台を楽しんでるように見える。
演出をされた関根勝さんもきていた。
場面の変わり目には大鼓とじゃんべとか言うアフリカの太鼓のようなものの音が入り上手く切り替わり、休みなしの2時間あっという間だった。
大鼓の大蔵正之助と言う人の間は、ものすごく緊張感があってすばらしかった。もともと大鼓が、大好きなのだが、今回は、とくによさがいかされていた。
また悪役のエドマンド役の佐藤融と言う人が着ていた着物は、くもの巣の模様で雰囲気がでてて面白かった。
前回は、なれなくて驚いたけど今回は、楽しめた。本物の女性の歌がなくても十分楽しめると思う。悪のお姉さんたち狂言の人たちがやっていたほうが面白かった。これは、鮎姫ファンには、しかられそうだけど。

すごく力の入ったいい劇だったのに少し空席があってもったいなかった。

リア王が悲劇と言うより、人間の馬鹿さ加減のよくわかる喜劇かも。