Mari Matsuno の日記

神戸とパリ在住の画家、松野真理のブログです。

老人ホーム


入るのに3000万円もして毎月もとても高くて今頃のこういう施設は、老人ホームとは言わないようだ。
パリで25年くらい版画をして暮らして日本に帰ってきてからさっさと荷物を整理してこの夏、有料の高い施設に入った友人がそこのホールで油絵や版画の個展をしてるというので見に行った。
「版画のおばさん」と読んでずっとパリでは付き合ってきた。版画の工房でもいっしょだった。
リュックを担いで中華街に白菜や大根を買いに行き、若い日本から来てる男の子たちに料理をして食べさせていた。面倒見のいい人だった。25年いてもフランス語は、あまりしゃべれなかったけど、若いときに数学の先生としてイタリアに留学していたからイタリア語が少しできた。
マイペースで颯爽と生きてきた人だ。版画の技術は、すばらしくて、フランスでも賞を取ったりしていた。

80歳に近づいて人の世話にならなくてよいようにと、日本に帰ってきて、病院といっしょになってる施設に入った。

しかしホテルのような雰囲気でホールが広くてびっくり。部屋は狭いけど2部屋あり、お風呂もトイレも付いている。もちろん台所もあり、料理も部屋で自分でしてる。できなくなったら病院のように頼めるし大きなお風呂が、あってお風呂は、そこに入ってるらしい。
それぞれの老後を考えさせられる。彼女は、動けなくなったり、わけがわからなくなってからの選択では遅いというのだが・・・

お互いに母親と息子がいるという立場の友人と二人で大阪のその施設に行って帰りに梅田で御寿司を食べた。久しぶりにおいしい御寿司をいっぱい食べてちょっと飲んだお酒でいい気分になって満足し、その後コーヒーを飲んだ店で買ったばかりの帽子を忘れてきてしまった!ぼんやりしてるわ・・・