Mari Matsuno の日記

神戸とパリ在住の画家、松野真理のブログです。

知人・友人

パリで20年以上暮らしていた友人と会った。その人は定年前に教師を辞めて55歳くらいでパリに行き版画を制作してあっちこっち出して賞をもらったり、会員になったりしてた。1年に一度帰り1ヶ月だけ日本にいて税金などの用事をし後はパリにいた。
75歳のとき病気になって安心できるのは自分の国だと帰ってきた。パリでの彼女は日本からの若い学生をホームステイさせて面倒見たりしながらひたすら制作していた。
20年以上いたけど版画以外にはフランスの社会に入ろうとせず日本人とばっかり付き合って食事を作ってあげたりとても面倒見が良かった。
パリには年取ってフランス語もできないのに年金があるからと小さいアパートを買って年金暮らしをしながら暮らしてる日本人もいる。たいてい女性だけど日本人会とかのいろんな小さなツアーに参加して結構楽しく暮らしているようだが、友人が必要で彼女のとこなんかにはそういう人がいつも集まっていた。

それでもそこで人生を全うするのは大変だ。やっぱり病気になったときの不安、言葉の障害が大きい。モンパルナス墓地に墓を買ってすでに奥様はそこに眠ってる友人がいるが彼は、今81歳でパリ市のアトリエで一人で暮らしている。もうパリに来て40年以上になる。毎週彼も眠る予定の奥さんの入ってお墓(土葬で2段になってるらしい)にお参りしている。
そこまで決心してる人はそうはいない。でも帰りたくても日本に帰る場所のない多くの日本人がパリにはいる。